古くから農家などで行われている気象予測に「寒試し」と呼ばれるものがあります。
これは、「寒中(小寒~大寒~立春)の気候変化を引き延ばしたものが、
立春から翌年の立春までの1年間の気候となる」というものです。
この寒試し、当測候所で観測した気温データをもとに行ってみました。
国立天文台暦計算室によると、今年の小寒は1月5日13時34分、立春は2月4日1時13分です。
その間の毎正時の気温データの数は708個ありますので、
実測値の1時間が予測値のおよそ半日になる計算です。
なお、気候の変動をみる場合には通常は平年値からの偏差をとるのですが、
当測候所では昨年2月に温度センサーを交換したばかりで平年値が算出できないため、
期間中の気温の平均値(5.5℃)との偏差をとることにしました。
結果をプロットしたグラフはこちら。

青い線が実測値で、日変化に対応する変動が約12日の周期となって現れています。
一方、実測値の前後12時間分の移動平均をとり、日変化を消したものが赤い線となります。
赤い線の日平均気温の偏差に注目して傾向を見ていくと、
まず、5月のGW明けまでの春の気温が負偏差で、春の訪れが遅いことが予想されます。
特にGW中の低温傾向が顕著で、この時期に天気がぐずつくことも考えられます。
次に、7月~8月も負偏差で、特に7月下旬に低温のピークがあることから、
梅雨明けが遅れて、その後も不順な天候が続き冷夏となる可能性がありそうです。
そして秋は、9月中は正偏差で残暑が厳しいものの、10月中旬から一気に負偏差に変わるため、
その後の秋の深まりはいつもより早くなりそうです。
ただ、12月以降はまた高温傾向となるため、寒気の流れ込みが弱く暖冬となるかもしれません。
ところで、寒試しは予測というよりも占いに近いものなのですが、生物や経済など様々な分野で
フラクタル的な性質をもつものが見つかっていることから、
あながち科学的根拠がないとは言い切れなさそうです。
来年の今頃に検証を行う予定ですので、首を長くしてお待ちください。
